『火災保険料』が約半額になる工法

『省令準耐火構造』をご存知でしょうか?

住宅を新築される場合、多くの人は金融機関から融資を受けて家を建てられます。その際に金融機関から必ず「火災保険」に入る事が義務付けられます。もちろん、キャッシュで建てられた人も義務では無いにしろ大抵の方は「火災保険」に入られます。「火災保険」は補償内容によって多少の違いは有りますが、火災以外の災害にも保険が適用になる本当に有難い保険です。雪国の場合は雪害による被害(雨樋の破損、落雪による外壁の破損など)にも対応してくれます。雪害以外にもいろいろな補償がオプションで選べますので、建物の立地条件を良く見て何をオプションで加えるかを考える事が重要です。

但し、この一般的な「火災保険」が適用にならないケースがある事も知っておく必要が有ります。それは「地震によって起きた火災」です。地震による火災および倒壊などは、「地震免責条項」により火災保険では補償されませんので、注意が必要です。なぜ火災保険では地震による火災が補償されないかというと、地震災害の発生確率と損害額の予測が難しいことや、巨大地震が発生した際にその被害が莫大なものになる可能性があることなどからです。ですから「地震によっておこる火災や他の災害」に対応するには「火災保険」以外に「地震保険」へ加入する必要があるのです。『備えあって憂いなし』、これからは「火災保険」と「地震保険」のセットで考えられる事をお薦め致します。ちなみに日本という小さな国で起こる地震の発生率は全世界の2割強を占めているのです。国土が全世界の0.28%しか無いのに2割強という事は真に日本は『地震大国』と言えるでしょう。ですから、いつどこで地震が起きても日本では何の不思議でも無い事を知っておくべきであり、ゆえに「地震保険」は必ず入っておく必要があると思うのです。

省令準耐火構造の火災保険料.jpg

前置きが長くなりましたが、表題の件について述べたいと思います。これまで家を新築された方で火災保険料が思いのほか高くて見積もり金額を見てギョッとした人は少なくないと推察します。そこで見て戴きたいのが上記の見積書です。合計金額が上下2段で記載されていますが、上段が一般的な住宅や柱や梁材を見せる純和風住宅の火災保険料で、下段が「省令準耐火構造」で建てられた住宅の火災保険料です。この見積書は31坪で全く同じ間取り・デザインで作られた家を基に算出したものですが、金額に大きな差があります。いかに「省令準耐火構造」で建てられた住宅の方が金額的に有利かが分かるかと思います。昔は「省令準耐火構造」の家と言えばツーバイフォー住宅がその代表格でした。しかし現在は在来工法でも施工方法によって「省令準耐火構造」に認定される事が可能なのです。もちろん、それに適合させる為のコストは掛かりますが、保険料から見れば大した額ではありません。

弊社の注文住宅≪樹の香≫や≪チャオ!≫では、この「省令準耐火構造」が最初から標準仕様となっておりますので工事費で差額を戴く事は有りません。純和風で立派な柱や梁材を見せたいというお客様には残念ながら適用出来ませんが、和風調で妥協して戴けるのであれば対応出来ます。もっと詳しくお知りになりたい方はぜひ弊社へお問い合わせください。


木造構造躯体からの「熱橋」

先日、あるお客様から「外断熱工法」についてのご相談を戴いた。お客様曰く「木の柱や梁材は熱貫流率が断熱材の5倍も有るので『熱橋』を抑える為に外断熱工法で家を作りたい。そして部屋は明るくないといけないのでサッシは大きくしてトリプルガラスを使いたい。」との事。住宅業界に身を置いて37年になるが、木の柱や梁材そのものからの「熱橋」をお客様から言われたのは初めてである。

「熱橋」とは建築躯体を構成する部材の中で外部の熱を内部へ、内部の熱を外部へ伝える部分を指す言葉であり、要は熱貫流率の高いモノがそれに当てはまる。そして構造躯体で最も熱貫流率が高いモノの代表格が鉄である。住宅では軽量鉄骨造の建物が該当になる。鉄は誰もが知る通り熱が伝わりやすい素材なので冬の外気温が低ければ、その冷たい熱をダイレクトに内側へ伝えてくる。元々「外断熱工法」はこうした軽量鉄骨造の断熱性能を克服するために考案された工法なのである。

しかし、最近は木造でも「外断熱工法」を取り入れるハウスメーカーや工務店が後を絶たない。弊社ではいろいろな観点から検証した結果、「外断熱工法」は不採用としている。単純に断熱性能だけを見れば明らかに素晴らしい工法ではあるが、そもそも「家づくり」とは断熱性能だけで決めるものではない。メリットだけを見て、デメリットを見ずに作れば後々大きなクレームに発展してしまう。それは断熱だけではなく、何にでも言える事だが物事には必ず表と裏が有るものだ。商品を売る人間は往々にして表のメリットだけをアピールするが、裏のデメリットについては余り語ろうとはしない。なぜならば、それを言ったら商品が売れなくなる恐れが有るからだ。

さて、木造構造躯体の「熱橋」を語ったお客様は本当に勉強熱心な方であると思う。しかし、私的には少々矛盾を感じてしまう。熱貫流率の表を見ると木材の熱貫流率は杉の柱で0.097w/㎡・kで、確かに各種断熱材よりも熱貫流率は高い。ここに「外断熱工法」を採用すれば確かに木造躯体部分の「熱橋」は防げる。しかしながら壁面には必ず窓が存在する。外壁面の中で最も熱を逃がす部分として、この窓が一番大きい。ちなみに最も熱貫流率の低いトリプルガラスを使った樹脂サッシを使ったとしても熱貫流率は0.79w/㎡・kもある。実に杉の柱との熱貫流率の差は8倍以上あり、断熱材と比較すれば十数倍もの差があるのだ。要は外壁面を完璧な断熱工法にしても窓が有れば、そこから「熱橋」は必ず起こるのである。つまり、ここで矛盾が生じる。木造構造躯体の「熱橋」にこれだけこだわるのであれば、極端な話サッシは付けない方向で考えなければならない。しかし、採光面で必要最小限の窓は付けなければならず、小さな窓だけと言う訳にはいかない。しかもお客様のご要望は「大きな窓がたくさん有る家」だ。こんな事を言っては失礼ではあるが「木を見て森を見ず」だと思う。「家づくり」とは総合的な見地に立って考えなければならないと言うのが私の持論で有り、お客様への回答である。

そもそも木造構造躯体の「熱橋」が問題視されるのであれば、弊社が以前加盟していた『夢ハウス』の真壁工法などは有り得ない工法になってしまう。実際に『夢ハウス』だけでなく真壁工法で建てられた住宅の柱の内側を触っても冷たいと感じる事は無い。住宅の構造躯体には大きく分けて木、鉄骨、RCの3つがあるが、その中で最も断熱性能が高いのが木である。断熱材と比較すれば確かに数値的には劣るが、サッシの数値と比較したら差帆のモノではない。よって弊社ではそこを問題視にはしていない。体感的に寒い、冷たいと感じるのであれば別だが、現段階においては軸間断熱工法でも充分な断熱性能が確保されていると弊社では考えている。また、これからは断熱性能を上げる事よりも遮熱性能を上げる方にお金を投資する方が有効的だと考えている。

最後に弊社が「外断熱工法」を行わない理由であるが、これに関しては直接お問い合わせ戴きたい。断熱性能の部分においては理想的な工法かも知れないが、弊社が問題視しているのは全く違う部分である。木造で「外断熱工法」をご検討されている方には是非問い合わせて戴きたい。「これを知って建てるか、知らずに建てるかであなたの住宅の寿命は大きく変わる事間違いなし。」と断言致します。

爆弾低気圧襲来!

台風並みの脅威
2021年2月16日深夜、強烈な暴風雨の音と振動で目が覚めた。天気予報通り急速に気圧を下げた低気圧が台風の如く北日本全域を飲み込み、強烈な風でかき回している。昨日の9時時点で990hpa(ヘクトパスカル)だった低気圧が24時間後に何と944hpaまで気圧を下げて北上して来たのだ。この気圧はもはや台風並みであり、別名「爆弾低気圧」と呼ばれている。台風は夏場にしか現れないが、爆弾低気圧は気象条件さえ合えば季節を問わず現れる。台風は誰しもその脅威を知っており、天気予報でも頻繁に通るコースやどのような特長を持った台風かを随時知らせてくれる。よって人はその対策を講じるものだが、爆弾低気圧は天気図上では普通の低気圧と同じ表記しかされないので、天気に詳しい人でないとその恐ろしさが予想出来ない。ゆえに対策が出来ていないまま襲来を招き、大きな被害を受けてしまう。

実は毎年のように「爆弾低気圧」は発生している。ただ台風と同じように規模に違いがあるので、大きな被害を受けない時もある。今回の「爆弾低気圧」は数年に1回来る極めて危険な「爆弾低気圧」であり、きちんとした強風対策を取っていないと大きな損害を被る可能性が高かった。8年くらい前に来た「爆弾低気圧」も強烈であった。養鶏場などの屋根を吹っ飛ばし、ガレージや農作業小屋などのシャッターを数えきれないほど破壊し、コンクリート製の電柱を何本もへし折って去って行った。今回の「爆弾低気圧」もほぼそれに近い規模の破壊力と感じた。

「家づくり」を行っている現場監督が一番恐れるのが、こういった台風や爆弾低気圧である。特に足場を架けている現場は気が気でない。下手をすれば足場の倒壊や外に置いた資材などが隣家に飛ぶ恐れがあるからだ。書く言う私もこの夜は一睡も出来ず、真夜中に2回も現場に走った。幸い私が担当している現場は街中の住宅地に有り、四方を2階建ての住宅で囲われていて余り風の影響を受けていなかった。周りの住宅が風除けになってくれたおかげで被害は出なかったが、周りに何も建っていない一軒家の我が家に戻ると激しい風が西面と北面の外壁にまともに当たり2階だけは壁が揺れ続けている。時間が進むに連れ、風がより激しさを増す。再び危険を感じ、また現場の状況を見に走った。しかし、現場は先程とあまり変わってはおらず、被害が出るようには感じられない。住宅地の中とポツンと一軒家ではこうも違うものかと思った次第である。

「異常気象」と言う言葉が出始めてから大夫時間が経つが、ここ数年で本当に気候が変わったと感じる。毎年日本のどこかで「100年に1回の」「50年に1回の」と呼ばれる甚大な自然災害が頻繁に起きている。これは日本に限らず世界中でも同様のようであるが、本当に環境問題について人類は真剣に考えなければならないと思う。自国第一主義の大統領が去って、ようやく世界中の国々が環境問題について語られるようになった。大きなテーマについては国レベルで対応して戴くとして、個人や家庭的なレベルでいま何か出来る事は無いかを考えてみよう。どんな小さな事であっても、何十億人の人達が同じ行動をすれば世界は少しづつでも良くなってくるはずだ。また私自身も「家づくり」を行う者として、どんな住宅がこれからの世の中で求められるのかを日々追い求めて行きたいと思う。


震えた日②

【2021年2月2日の火災事故】で思った事
火災が遭った昨夜はなぜか眠れなかった。家族全員が同じ事を言っていた。気分もすぐれない。煙を吸ったせいか喉の調子も悪い。朝起きて朝刊に目を通す。昨日の火災事故の記事が載っていた。出火元の家は全焼で道路を挟んだ南隣の家が少し延焼の被害を受けたと書かれていた。事務所へ出勤すると記事に載っていた南隣の家のご主人が家の前の除雪をしていた。「昨日は災難でしたね。」と声を掛けた。「そうなんですよ。延焼は貰い損でしかなくて、これから大変なんです。」と言い、道路面の外壁を見ていた。道路に面した全ての樹脂サッシのフレームが焼けただれ、ペアガラスの外側の面が割れていた。2階部分の外壁が火災の熱で変色している。エコキュートの室外機から出ている配管カバーも熱で溶け、中の配線が見えていた。火災のせいで東北電力の電線が焼けて、その家は停電してしまい昨夜は親戚宅にお世話になったという。本当に気の毒な話である。その家は新築で建てて、まだ7、8年しか経っていないのだ。それがこのような事に遭ってしまったのだから、ご家族の心中いかばかりかとお見舞い申し上げる次第である。

延焼による被害.JPG

添付した写真は延焼に遭ったその家の樹脂サッシである。これは「樹脂サッシがどうのこうの」と言う為に載せた訳ではない。一部延焼の被害を受けたその家は6M道路を挟んだはす向かいに位置している。お互いの外壁の距離は7M以上は離れているのだ。それでもこれだけの被害を受けている。もしも出火元の隣地に家が有ったと仮定しよう。街中の住宅地ではお互いの家の外壁までの距離が3M以内という所がザラに存在する。そんな距離であのような火災が起きたら延焼は免れないと考えるのが普通だと思う。例え火災に強い外壁材を張っていたとしても無理である。なぜならば外壁面には必ず窓がある。あるいは下屋もあるかもしれない。そういう部分は外壁材と同等の耐火性能を持ち合わせていないのが一般的だからだ。

では何もしないで今のままで良いのか?それは「NO!」である。確かに延焼は免れないかもしれないが、耐火性の高い家であれば逃げる時間を稼ぐ事が出来る。人命よりも大切なものはないが、「これだけは焼失させたくない。」と思うモノを持ち出せる時間も稼げるかもしれない。そういう意味でこれから『家づくり』をご検討されている方々に申し上げたい。大地震が起これば地震に強い住宅が注目されるように、火災に備えた構造がある事を知って戴きたい。上を見るとキリがないが、最もコスパに優れた構造として【省令準耐火構造】というものがある。その代表格がツーバイフォー住宅であるが、今は在来工法でも対応が可能なのだ。この構造で作られた家は火災保険料も一般住宅の約半額で済むというメリットがある。弊社ではこの【省令準耐火構造】を標準仕様としているので、詳しい事をお知りになりたい方はお問い合わせを戴きたい。

最後にもう一言。火災保険はただ加入していれば良い訳ではない事を今回の火災で私は大いに思い知らされた。他人の家の火災で自分の家が焼けても、出火元の保険で直して貰う事は基本的に無い。本当に理不尽な話ではあるが、延焼を受けた家の人は自分が加入している火災保険で直すしかないのだ。冒頭に南隣の家のご主人が言っていた「貰い損」とは真にこの事を意味する。保険の種類によっては延焼に対応したものもあるらしいが、まず殆どの家は自宅のみの火災保険だと考え、自宅の火災保険がしっかりした内容であるかを確認して戴きたい。

昔の言葉に「地震・雷・火事・親父」と世の中で怖いモノの順番を表した格言がある。現代においては「地震・火事・水害・台風・モンスター●●」だろうか。●●はご想像にお任せする。いずれの災害においても「それは突然襲ってくる。」と言うのが共通している。どの災害が起きた時に自宅はどうなるのかを想像して、「不測の事態」に備えたいものである。

震えた日①

【2021年2月2日の火災事故】
今年の2月2日は124年ぶりの「節分の日」として記憶に残る日であったが、個人的には全く違う意味で記憶に残る日となった。ちょうどお昼の12時にそれは突然起きた。事務所に佐川急便さんが配達に来られた際に配達員の方が「隣の隣の家から凄い煙が出てますよ!」と言われた。「えっ!」と驚き、慌てて外へ出ると、その家の1階部分からおびただしい白煙と炎が見えた。「これはヤバい!」と思い、出火元の隣地(我が家の畑)に駐車してあった自家用車に向かって走った。車に行こうとする私に誰かの「危ないから行くな!」と制止する声があったが、それを振り切って車に乗り込みエンジンをかけた。間一髪セーフで運良く私と車に被害は無かった。

車を自宅の駐車場へ移動してから事務所前に戻ると、近隣住民と地元の消防団員ら大勢の人が集まっていた。バリケードが事務所前に張られ事務所に戻る事が許されず、皆と火事の様子をただ見ているしかなかった。強い北西の風に煽られ、ほんの数分で炎はまるで急成長するかのように勢いを増していった。時折小規模な爆発音と共に大きな火の粉や真黒く焼けた何かが空を飛んで行く。とにかく消防車の到着が遅く感じた。本当は迅速に動いてくれていたかも知れないが、その場に居た多くの人は「消防車はまだか。」と口々にしていた。それくらい火の回りの速さが早すぎて、消防車の到着を「まだか。まだか。」と遅く感じていた。

ようやく消防車が到着した時が火災のピークだったように思う。主屋2階の屋根を貫き、炎が天に届くが如く燃え盛る。同時に北西の風は一層強まり、傍観者の顔にも炎の熱が伝わった。事務所の隣家のお母さんが泣いている。「自分の家も燃えてしまう。」と言いながら泣いている。その場に居た者であれば、その気持ちは痛いほど理解できる。なぜならば本当にそうなるかもしれないと思えるほど強烈な火災だったからだ。かく言う私も事務所への延焼の可能性を感じた。それは今までに感じた事の無い全く違う恐怖感である。そう感じた時に心臓の鼓動が聞こえ、身体が小刻みに震えてくるのが分かった。

人生の中で火災現場は何度か見た事はある。しかし、それはいずれも自分とは無関係の災害であり、少しの恐怖は感じても身体が震えるまでに至った事はない。自分の身近で火災が起こったのは初めてであり、火災がこんなにも恐ろしいものである事を改めて知らされた。

消防車からの放水が開始され、しばらくすると徐々に炎が沈静化していく。頭の中では「もう大丈夫。」と思っても、気持ちや身体の反応が伴わない。やがて火は見えなくなり、火災現場は白い水蒸気で覆われて何も見えなくなった。時計の針は13時半を回っていた。自宅に戻り、しばらくの間家族全員がボーっとしていた。自分が起こした火災では無いのに動悸が止まらない。食べていない昼食を口にするまで更に1時間半掛かった。遅い昼食を取った後に事務所に戻ると家屋内に異臭が漂っている。木材を燻したような火事独特の臭いだ。延焼を免れただけ運が良かったと思えば、臭いくらい我慢出来るものだ。

新築住宅におけるフォレスト式床暖房の効果

先日、お客様の家にアフター訪問してきました。昨年11月にお引渡しさせて戴いたO様邸です。蓄熱式床暖房で初めて迎えた冬はかつて経験した事がない大雪と極寒の真冬でした。この日も最高気温が氷点下の寒い日でしたが、床暖房のリモコンの温度は「36℃」。ちなみにこの「36℃」という温度は室温ではなく、床暖房の配管の中を流れる温水の温度です。O様邸のお宅は改良型の床暖房方式で施工した新築住宅第1号なのですが、「36℃」という設定温度は改良前の床暖房では考えられない温度設定なのです。私はお客様に「いつもこの温度で生活されているのですか?」と質問しました。すると「これでも暑いくらいなんです。でも36℃未満の温度設定がなくて・・・。」と言う答えが返って来ました。少しご不満に思われているのかなと思いつつ「セーブ運転させればもう2℃は下げられますよ。」とアドバイスをしたところ、「床暖房がこんなに暖かいものだとは思わなかった。」と逆に嬉しい悲鳴を聞かされました。また、帰省された娘さんが和室に布団を敷いてお休みになったそうですが、その際に厚手の毛布1枚掛けただけで充分暖かかった事に驚き、更に大雪で濡れた靴が次の日の朝にはすっかり乾いて靴の中がポカポカに暖かくなっていた事で二重の驚きがあった事をお話してくださいました。我が家の床暖房は改良前の旧式ですが、だいたい「39℃」で運転しています。さすがに氷点下10℃の極寒日は「43℃」くらいまで上げないと暖かくなりません。ところがO様邸では常に「36℃」だそうで、やはり改良の効果の違いが数字で表れている事がハッキリと分かりました。

あと灯油の消費量についてもお話があり、灯油の消費量は例年並みだと言われました。こう聞くと「省エネじゃないじゃないか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。これまでの住宅は局所暖房で暖房機器の有る部屋だけが暖かく、しかも機器を運転している時間だけ暖かいというものでした。建て替えた住宅は人が歩く全ての空間が24時間快適な温度で暖かくなっていて、灯油の消費量が以前と同じという事なのです。他のお客様から言われた言葉をお借りすると「今までの3倍の面積が暖かくなり、3倍の時間が快適になった。」と言う訳です。これを省エネと捉えるのか捉えないかはお客様次第ですが、少なくとも弊社で床暖房をご採用戴いたお客様からはお喜びの声が寄せられております。

最後に「暖かさの質の違い」について触れたいと思います。O様もおっしゃられておられましたが、「足の裏が常に暖かいので、身体も常にポカポカしている。」というのが床暖房の最大の特長です。この暖かさ、快適さは暮らしてみないと本当の良さは分からないと思います。弊社では旧式ではありますがモデルハウスで床暖房のご体感がいつでも出来ます。またご要望があればOB客様のお宅へ訪問して、直接生の感想を聴く事も出来ます。床暖房は大体4月くらいまで使用しますが、本当の良さを知りたければ12月から2月までの期間でご体感される事をお薦めします。「床暖房はめちゃくちゃ高額で、ランニングコストも悪い!」と言う方が多くいらっしゃいますが、確かにそういう床暖房も存在します。でもそうでない床暖房も有ることも知って戴きたく思います。他人の言う事を真に受けず、実際にご自身で体感してみてご判断される事を強く希望します。

「脱炭素社会」と「オール電化住宅」との関連性

日本のエネルギー・発電の供給量割合.pdf
昨今、「カーボンニュートラル」とか「脱炭素社会」などの言葉がテレビから多く聞かれます。この二つの言葉は同じ意味では有りませんが、今回は「脱炭素社会」と「オール電化住宅」について考えたいと思います。
本題に入る前に言っておきますが、私は決して「オール電化住宅」を否定するためにこの記事を書いているのではありません。むしろその逆でいつかはオールでは無いにしても電化住宅で家を建てたいと考えております。

さて本題に入ります。「脱炭素社会」とはその名の通り炭素(石炭、石油や一部の天然ガス)を使わない社会ですね。炭素を燃やすと二酸化炭素(CO2)が排出される為、地球温暖化が進むのでそれらを使わない社会にしようというのが本来の狙いです。そこで各電力会社が住宅会社と連携して売り出したのが「オール電化住宅」です。2012年の春までは新築住宅でのオール電化住宅シェア率は相当高かったと記憶しています。ところがです、『3.11東日本大震災』による福島の原発事故を境に状況は一変します。それまで毎日のように流れていた電力会社による「オール電化住宅」のコマーシャルが一つも流れなくなり、現在も放映されておりません。あの事故から今年で10年になろうとしているのに何故コマーシャルは放映されないのでしょうか?

実は当時の「オール電化住宅」と原発は密接な関係にありました。原発は稼働したら止める事が出来ません。深夜を問わず電気を作り続けます。でも深夜に電気を作っても日中に比べたら消費量は格段に少ない事は明白です。この深夜に作り出される電気を使って貰いたいが為に考え出されたのが「オール電化住宅」の始まりな訳です。深夜電気料金の圧倒的安さはお客様にとって魅力的であり、アッという間に「オール電化住宅」は日本中に普及しました。しかし、あの3.11で電力会社は苦境に立たされました。原発による電力供給が殆ど出来なくなったからです。

さてコマーシャルは流れなくなりましたが、今もいろいろな住宅会社で「オール電化住宅」が作られています。灯油やガスを使わない「オール電化住宅」がクリーンだと思っているお客様も多いようですし、住宅を作っている会社の従業員さんもそう思っているようです。そこで添付した資料『日本のエネルギー・発電の供給量割合』のグラフを見てください。現在、電気を供給している発電所の多くは火力発電所で、そのシェア率は80.8%。何と8割を超えているのです。その火力発電所で燃やされているのが石炭、石油、LNG(天然ガス)であり、内5割が石炭と石油が占めているのです。

つまり、現在「オール電化住宅」に供給されている電力会社の電気とは炭素を燃やして作られたものであり、弊社曰く「見せかけのクリーンエネルギー」に過ぎないと言うことなのです。要は炭素(化石燃料)を自宅で燃やしているか、発電所で燃やしているかの違いであり、やっている事は同じというのが弊社の見解です。

だからと言ってこのまま化石燃料に頼って良いとは思っておりません。そこで考えなくてはならないのが、本当にクリーンな「電化住宅造り」の構築です。まず日中は太陽光発電や風力、水力などで得られる本当にクリーンな電気を使う事。そして夜間はPHEV車などを蓄電池として活用し、電力会社の電気を極力使わないような設計をする事です。これはそんなに難しい事ではありませんが、通常よりもイニシャルコストがかなり高く付くのが普及への一番のネックとして挙げられます。また横手のような豪雪地帯では冬期間の太陽光発電量が期待出来ないという点も考慮しなくてはなりませんし、太陽光パネルの設置場所、PHEV車の充電場所などもしっかりと考えなければなりません。

自動車業界では水素を使った車が発売され、それに伴い水素ステーションの建設も徐々に進んでいます。何でも言える事ですが、世の中に無かったものが発売されると最初の価格は高額です。ですが、それが普及して当たり前の時代になると価格も安くなります。住宅のエネルギー事情も同様で皆が「見せかけのクリーンエネルギー」に惑わせれず、本当の意味で「脱炭素社会」を目指せば、実現出来るのではないでしょうか。

新年早々の大規模停電に思うこと

2021年1月14日魁新聞記事.pdf
秋田県の2021年は大雪に始まり、1/7・8の大規模停電で大混乱の幕開けとなった。この間だけはコロナウイルスよりもこちらの方が県民にとっては大きな問題だったと思われる。特に県最大の市である秋田市は大打撃を受けた事であろう。新聞記事を読むと「エコキュート」が故障とあり、パナソニック1社だけでも5日間で約350件の修理依頼があったと有る。真冬にお風呂に入る事が出来ないだけではなく、お湯が全く使えないと言うのは本当にしんどい。雪の降らない東京ですら同じ状況に陥ったら大変だと思うが、秋田県の冬は東京とは比較にならないほど厳しい。

エコキュートの販売店に故障の箇所と原因を尋ねてみたところ、次のような回答を戴いた。
「エコキュートの室外機の根本にある水道管が凍った事で多くの家で管が破裂した事例が最も多かった。電気が通電していれば問題は起こらないのだが、停電時の外気温が氷点下を大きく下回った事が大きな要因。」との事。これは「エコキュート」だけに限らず「ガス給湯器」でも同様の問題が起き、ガス給湯器メーカー大手のCORONAでも約400件の修理依頼が来ていると記事に有る。

ここで家づくりに携わる我々が考えなければならないのは、この厳冬期に起きた大規模停電による事故を今後の教訓として活かさなければならないという事である。「エコキュート」や「ガス給湯器」で事故を起こした機種の大半は外置きの機器である。FF式で建物内に設置したガス給湯器では殆ど問題は起こっていない。要は給湯器そのものを内部設置型にすれば良いのだが、「エコキュート」についてはヒートポンプ式室外機が外にしか置けないのがネックとなる。秋田市は秋田県の中でも比較的気温の高い地域であり、横手市と比較すれば降雪量も格段に少ない。ゆえに雪の降らない地域と同じような形で給湯器を設置しているケースが目立つ。しかし、そう言う秋田市も雪国である事は間違いなく数年に一度は大雪が降る。この数年に一度というのが判断を狂わせるのである。不測の事態が起きても、必要最低限の暮らしが出来るように考えて家づくりのアドバイスをする事が今後求められるものと考える。

横手市を中心に家づくりを行っている弊社ではFF式の灯油ボイラー(エコフィール)を推奨させて戴いているが、もしお客様から「エコキュート」を要望された場合の対策を早急に検討しなければならない。

雪国では向かない素材や施工方法①

弊社は秋田県内陸県南地域で住宅を建築する会社です。いわゆる豪雪地帯で家づくりを行っている会社ですので、雪国ならではの建築工法について皆さまに情報発信をさせて戴きたいと思います。
第1回目は屋根の野地板について触れてみたいと思います。
雪の降らない地域では瓦やスレートを使った屋根が多く見られますが、秋田県では沿岸部を除けば殆ど金属製の屋根です。昔は「トタン屋根」と呼ばれていましたが、現在はガルバリウム鋼板製の屋根に進化しています。なぜ金属製の屋根が殆どなのかと言うと、積雪量が半端ない地域ではそれしか選択肢が無いからです。屋根に雪止め金具を付けた家では数ヵ月もの間、屋根の上に雪が積もった状態が続きます。ここが雪の降らない地域との絶対的な違いです。屋根に積もった雪はその日の天気で様々な状態に変化して行きます。例えば天気が良く、気温が高い日中には雪が少しずつ解け、水滴となって軒先から落ちてきます。ところが夜になると気温がグッと下がり、解けた水滴が氷に変わります。こういう現象が数えきれない程続くと、いずれジョイント部分から水が浸透してきます。これを「スガ漏り」と呼びます。こういう現象は雪国だけで起こるもので、東京など雪の降らない地域では無縁です。
さて「スガ漏り」の話は後日する事として、冬期間の屋根の温度はと言うと氷点下15℃以下になります。そして夏はと言うと最近は温暖化のせいか東京とあまり変わらないくらいの気温になります。屋根の温度は素手では触れない程の熱さになります。つまり、一年を通して考えると屋根の温度の寒暖差は約80℃くらいになるのです。この過酷な気候条件の下で屋根の野地板に『構造用合板』を使用する住宅会社が多くいますが、弊社ではNGです。なぜか?それは数十年後リフォームで屋根を葺き替えした時に分かります。構造用合板は薄い板を接着剤で貼り合わせた板です。いくら構造用と言っても、この過酷な状況下では長期間持ち堪えられません。接着剤の効果が失われ、ベラベラに剥がれてくるのです。
ですから、弊社では野地板には杉のバラ板(無垢材)を使用します。長年に渡り、リフォームで屋根の葺き替えをした経験を元に出た結論が「杉のバラ板」なのです。「杉のバラ板」は無垢材ですので剥離などは絶対に起きません。何十年経過していても腐食していない限り、持ち堪えられるのです。一見して古くさいやりかたと思われる方も多くいらっしゃるかと思いますが、古いやりかたの方が実は理にかなっている場合もあるのです。少なくとも雪国秋田で家を建てる際には野地板に「杉のバラ板」を使われる事を強くお奨め致します。

「べっぴんさん」②

「こだわりのモノづくり精神」に学ぶ

こんにちは。今回のブログは前回の続きになります。

前回、私がこの物語で大いに共感させられたのは決して揺らがない「こだわりのモノづくり」を貫く精神を持ち続けること。

赤ちゃんの肌着に使う素材選びや、それを縫製する技術など、全ての赤ちゃんが快適に感じる事を一番に考え作られていること、つまり使う立場に立ったモノづくりをしていることをお伝えしました。

そして「べっぴんさん」の「べっぴん」とは漢字で書くと「別品」となり、それは普通の商品では無く、特別な一品という意味があることもお伝えしました。

彼女達はベビー服を、弊社は住宅を作っています。モノづくりという点においては共通する面が多々ありますが、価格の面においては大きな違いがあります。

でも弊社では「キアリス」と同様に、あくまでも使う立場で素材選びをし、使う立場でモノづくりを行っております。
分かりやすくする為、一つ例を挙げてお話をしてみましょう。


住宅には何百万個と数えきれないほどのパーツ(部品)が使われ、それらが組み合わされて一軒の家となります。数えきれない部品の中で、そこに住むお客様が毎日一番多く身体に触れるパーツは何だと思いますか?

答えはフローリングです。

手には触れなくても、人が家の中を移動する為には床の上を歩かなければなりませんよね。

例えば、「このフローリングは何で作られているのかな?」なんて考えた事がありますか?ほとんどのハウスメーカーや工務店が使っているのが、合板フローリングです。弊社でも使っています。でも合板フローリングと一口に言っても色々な種類のフローリングがある事を知っているお客様は少ないと思います。

色々な種類と先に言いましたが、ここでは大きく二つに絞ってお話をしたいと思います。一つは表面に木目模様が付いた特殊シートが張られたフローリングです。

もう一つは本物の木を2~3mm程度の厚さでスライスしたものを表面に張ったフローリングです。ちなみに表面だけを見て、触ってみてもほとんど違いが分かりません。さて、あなたがお客様だとしたら二つの内どちらを選びますか?この段階では「う~ん、どっちが良いのか分からないなぁ。」ですよね。

では、次に二つのフローリングの特長をお話します。最初のフローリングは表面がとても硬く、キズがほとんど付きません。
しかし、裸足で歩いていると足の裏が痛くなってきます。二つ目のフローリングは表面が柔らかく、ちょっとした衝撃でもキズが付いてしまいます。
しかし、裸足で歩くと適度な柔らかさのおかげで足が痛くなることはありません。

ここまでの話を聞いて、どちらを選択しますか?

どちらを選ばれても、それはお客様の自由です。


ちなみに弊社で標準採用されているのは二つ目のフローリングです。

このフローリングにはキズが付きやすいというデメリットがありますが、敢えてこのフローリングにしております。なぜならば、このフローリングの表面に使われている素材は本物の木だからです。本物の木は柔らかく、人を包み込んでくれます。幼い子供が転んでも、そんなに痛くはありません。そして本物の木はキズが付いても剥がれることは無く、永く使用する事が出来ます。

一方、一つ目のフローリングのメリットはキズが付きにくいという事だけです。表面の特殊シートも耐久性が何年あるのか分かりません。子供がいたずらをしてナイフでキズを付ければ、そこからシートがめくれてくる可能性もあります。表面が硬いという点も気になります。幼い子供が転んで、頭を打ったら大変です。

このように見た目には分からないけれど、全く中身が違うフローリングが存在しているのです。たぶん多くの人は、内容を知れば二つ目のフローリングを選ばれると思います。では、なぜ一つ目のフローリングは存在するのでしょうか?

実はこれって、本当のお客様の為に作られたモノではないのです。むしろ施工する業者の為に作られたモノなのです。昨今のお客様の目は厳しく、ちょっとしたキズ一つでも大きなクレームに発展しまう事も少なくありません。特にフローリングのキズは致命的です。張替えなんて簡単に出来ません。なので、そのようなクレームが出ないように開発されたのが、一つ目のフローリングなのです。どちらが正解でどちらが不正解という事ではありません。

ただ、題名にある「べっぴんさん」の精神から言えば、やはり私は二つ目のフローリングを選択します。例えリスクがあっても、こちらをお客様にお奨めします。我々が行う工事は数ヵ月で終わりますが、お客様は完成した家にこれから何十年も住み続けます。そう考えると、やはり「本物の木で作られたフローリングの部屋で過ごして貰いたいなぁ。」と思う訳です。

今回はフローリングに着目して弊社の「こだわりのモノづくり」を紹介させて戴きました。