読売新聞に掲載された「頭寒足熱」

もう数カ月前の話ですが、掛かり付けの小田嶋まさる内科に受診に行った際に院長先生から「今度フォレストさんの頭寒足熱の記事が読売新聞に掲載されますよ!」って言われました。???「えっ!どういう意味ですか?」って聞き返したところ「読売新聞社の記者さんがたまたまフォレストさんのホームページを見ていて、そこに書かれていた『頭寒足熱』に興味を持って、私のところに取材協力の打診が来たんですよ。」という事だったんです。てっきり弊社を取材して貰えるかと思ったのですが、まぁ世の中の人に『頭寒足熱』の大切さが広まってくれればそれで良し!と思い直した次第です。さて、その記事ですが今年の1月28日に掲載されておりました。読売新聞を取っていない私の為に小田嶋先生がコピーを取って渡してくださいました。それが下の写真です。
頭寒足熱.pdf
G.Wの最中、今の季節にはあまり興味が湧かないかも知れませんが、「これから家を新築しよう!」とか「リフォームをしよう!」とお考えの方は今一度冬の寒さを思い出して、是非この記事をご参考にして戴ければ幸いに思います。

2022年宅建試験合格しました!

こんにちは。

誠心住工房フォレストの佐々木です。

今日、11月22日は宅建試験の合格発表日です。

今年の3月に一念発起し、U-CANの通信講座を受け、めでたく合格の日を迎える事が出来ました。
勉強を開始する前にどうやって勉強を進めるのか考えました。独学ではなかなか難しいだろうと思い、新聞の折込チラシにあったU-CANの通信教育を選びました。いろいろ考えた割には安易な決断でした。U-CANに申し込みをすると、分厚い6冊のテキストが送られて来ました。正直、「マジでこれ全部勉強しないといけないの?」と思わされる量で、希望より不安の方が大きかった記憶しかありません。
U-CANでは自分のペースで毎日コツコツと言うのが基本コンセプトらしく、私は毎日1時間は必ず勉強する事を決心しました。事実、勉強を怠った日は1日も無く、受験日前日までそれを守りました。

U-CANでは最初に「権利関係」のテキストから勉強していきます。殆どが法律の事だらけで最初は何が何だか分からない日が続きました。「「詐欺」とか「恐喝」とかこれって不動産の取引と何の関係があるの?」と思うような事が多く有り、理解するまで結構な時間を要しました。中には「この部分は後で勉強するので、こういう内容のものがあったな程度で覚えておいてください。」みたいな部分もあったり、「えーっ、覚えられないよ。」と嘆く事も多く有りました。本当に最初は手探り状態で何を勉強しているのか意味不明でしたが、毎日続けて行くうちに少しずつ理解出来る部分が増えてきました。まぁ、3歩進んで2歩下がるみたいな感じでしたが、徐々にU-CANの指導方法にも慣れてきました。夏頃になると勉強が少しずつ楽しく感じるようにもなりました。

しかし、世の中そう甘くはありません。テキストの講義が全て終了すると模試に入ります。本試験では2時間で50問の問題を解かなければならないのですが、最初は時間を気にせず1問1問じっくりと解いていきました。自己採点をしてみると33点。「あれっ!結構出来てるじゃん。」と思ったのはこの時だけ。次の模試、その次の模試と続けて行くと点数は20点台に急降下。やればやるほど点数が下がって行くではありませんか。しかも制限時間2時間の枠内では無いにも関わらずです。何が自分に欠けているのかは各科目ごとの点数で分かります。自分の一番の弱点は「権利関係」と「その他法令」です。一旦模試は止めて、テキスト内の過去問にじっくり時間を掛けて復習をしました。何日も弱点の科目ばかり復習していると、そこの部分の点数はやや改善されますが、逆に得意だった「宅建業法」の点数がダウン。今度は「宅建業法」に重点を置いて復習します。すると他の科目の点数がダウン。これには正直言って参りました。年齢的(56歳)にも暗記力が低下しているのが如実に分かりました。

最後は結局過去問の繰り返しです。2時間で50問回答を前提に行いました。しかし受験日前日までに7割に達する正解を出した事は一度もありませんでした。

そして運命の受験日です。私は苦手な「権利関係」を後回しにして問い50番から逆走で解答をしました。問い25番までで1時間が経過。ここまでは取り敢えず順調にきましたが、やはり「権利関係」は難しくかなりの時間を費やしてしまいました。後で見直しをしようと思っていた問題も見直す時間が全く無いままゲームオーバーです。

受験日の10月16日から合格発表日の11月22日までの時間はとても長く感じました。実は問題用紙は持ち出し出来ないと思っていて、用紙にハッキリと何番に●を付けたのか分からず、記憶を辿って自己採点をしてみると33点は間違いなし。もしかしたら正解に●を付けたかもと思えるのが2点。なので自己採点では悪くても33点、運が良ければ35点だったのですが、今日の発表では合格ラインが36点と聞いてガッカリ。でも『合格者の受験番号の広告』を見ると自分の番号が載っているではないですか。正直言ってビックリです。奇跡です。なぜなら7割を超える正解を一度も出した事の無い私が36点で合格するとは夢にも思えなかったからです。「なぜ合格出来たか?」と問われたならば、「毎日コツコツと勉強してきたから」そして「運が良かったから」としか言いようがありません。

実は「来年も受験勉強か。」と思っていたのですが、一発合格出来た事で良い事がいくつか出来ました。一つ目は受験勉強の時間を他の事に与えられる事、二つ目は資格取得により商売の巾が広がると言う点です。資格取得に何年も時間を費やす人も少なからずいると思います。合格したからと言って偉そうな事を言うつもりでは有りませんが、何事においても「これをしよう!」と思ったら短期集中型で取り組むべきだと思います。私の場合は好きなゴルフと飲み会は封印しました。その甲斐あっての合格ですが、不合格ならもう一年封印しなければならなかった訳です。もし来年も不合格なら3年同じ事をする羽目になるかも知れません。これってもの凄く不効率だと思いませんか?例えば「家を建てる!」と決めた場合も同じだと思います。いろいろなモノを見過ぎて何も決められない方がたまにいらっしゃいますが、自分が建てたい家はどんな家でそれを可能にしてくれそうな住宅会社はココ!と決めてしまえば格段に早く住む事が出来ます。「人生で一番高価な買い物なので、そう簡単には決められないよ。」と思われるでしょうが、業者決定はお客様と担当者の相性で殆ど決定しているのが現実なのです。住宅会社の規模やイメージで選ぶ人は比較的多いかと思いますが、これには大きな落とし穴があるので要注意です。この点については次回改めて触れたいと思います。

結局のところ私が申し上げたいのは「目標を実現する為に誰の助けを求めるのか?」と言うことです。私は「宅建試験合格!」の実現のためにU-CANを選びました。他にも選択肢はたくさん有ったと思いますが、コロナ禍である事、経済的負担が少ない事が選んだ理由です。U-CANだったから合格したとは思っていません。助けになったのは事実ですが、自己の努力あってこその合格だと思っております。では「家づくり」においてはどうかと言いますと、これもある意味似た側面があります。選んだ住宅会社がある程度の事はやってくれますが、お客様自らどんどん行動をしない限り前には進みません。今の時代、高性能住宅や高耐震住宅などどこでも対応してくれます。その中で自分に合った住宅会社を選ぶ。難しいようですが、実は意外と簡単です。住宅会社の社長の考え方や担当者の話を聞く事です。直接聞く事で見えないものが必ず見えてくると私は思います。

子供部屋は4畳半!?

以前、勤務していた会社でユニークな教育方針を持ったお父さんがいらっしゃいました。プランニングの為のヒアリングをしていたところ「子供部屋はすべて北向きの4畳半で主寝室は日当たりの良い南側でお願いします。」と言われたのです。私は不思議に思い、質問をしました。「大概の親御さんは自分達の寝室を日の当たらない方に持ってきて、子供部屋は日当たりの良い南側を望まれるのですが、どうして北側でしかも4畳半という狭さで限定されるのですか?」と。すると「この家は私たち夫婦が一生懸命に稼いだお金で建てる家です。私たち夫婦が一番良い場所に部屋を構えるのは当然の権利です。条件の良い位置に広い部屋を子供に与えると『引きこもり』になる可能性もあるし、それ以上に私は子供たちに『こんな狭い部屋から出て行きたい。家から出て行きたい。』と思うようになって欲しいと思っているのです。」と言われたのです。もう、かれこれ15年以上も前の話ですが、この時の会話は強烈なインパクトとして私の記憶から無くなることがありません。

敢えて子供に快適ではない部屋を与え、「こんな所から早く抜け出したいのなら自分の力で自分の家を持てるような大人になりなさい。」と独立心をあおるという独特な教育方針に私は多いに共感されました。そしてこのお客様との出会いで間取りの考え方も広がったと感謝しています。この教育方針に共感が持てるかどうかは人それぞれです。この件に関してそれを議論するつもりはありません。

ただ、これから家を建てようと考えられている子育て世代の方には是非ご自分の教育方針を見つめ直してみてプランニングをされる事をお薦めします。子供が小さい時はどうしても子供中心の生活になります。しかし、子供が全員巣立って、家に残ったのは夫婦二人という事も考えられます。大きな家に夫婦二人で持て余してしまう例はたくさん有ります。戻って来ない子供のために日当たりの良い部屋を使わずに残しておく家庭も有りますが、考えようによっては勿体ないとも言えると思います。住宅ローンの返済期間が35年から40年へと長くなってきていますが、その返済が終わる頃にあなたは何歳ですか?その時の家族構成は誰にも分からないと思いますが、ある程度は想定しながら家を建てた方があとあとの後悔は少ないのではないでしょうか。

YouTube動画を公開中です!

「誠心住工房フォレスト」では現在、YouTubeの動画を製作しており、1本目を公開しております。グーグルにて「横手市 注文住宅 おすすめ」で検索して貰うと見る事が出来ますので、お時間のある方やご興味のある方は是非ご覧ください。これから数を増やす予定ですので、ご期待ください!またこれらの動画は公開後すぐに弊社ホームページ内でも見れるようにしますので、まとめてご覧になりたい方はそちらでお楽しみください(ある程度の本数が揃ってくるのは10月頃の予定です)。

また、弊社の事務所も現在改装工事中です。こちらも秋にはショールームが完成する予定で、実物の「自然素材」を見て触れる事が出来ます。もちろん弊社の"伝家の宝刀"『蓄熱式全館床暖房』も完備しておりますので、寒い時期にはこちらもご体感する事が可能です。

コロナ禍がワクチン接種で徐々に収まって来るとは思いますが、正常な日常が戻るまでは感染対策を徹底した接客を心掛けて参る所存でございます。他社とは一味も二味も違う「誠心住工房フォレスト」の注文住宅を多くの方々に是非知って貰えるよう努力して参りますので、これからもよろしくお願い申し上げます。

大谷翔平選手とイチロー氏の共通点は「マルチ」

2021年のMLBは春から大谷選手の活躍で話題に事欠かない。「リアル二刀流」。これは言葉で言うほど簡単に出来る事ではない。現に多くのメジャーリーガーが大谷選手の活躍ぶりに驚愕しており、現地の記者らにも「信じられない。」と言わせる程の結果を残している。この活躍ぶりは2001年にイチロー選手がMLB1年目の時と実によく似ている。イチロー選手はピッチャーではなく外野手なので今で言う「二刀流」ではないが、パワー全盛期のMLBの中では大谷選手同様に異彩を放った存在であった。卓越したバットコントロールでヒットを量産。特に普通の選手ならOUTになる内野ゴロでも俊足を活かしてセーフとし、内野安打を量産。出塁をすれば2塁への盗塁、さらに3塁への盗塁で単打を長打並みの成果へと変えていった。そして最も特筆すべき点は彼の守備能力の高さである。中でも敵地アスレチックス戦でライトへ来た打球をキャッチし、3塁へ投じた球は3塁ベースに向かって地を這う光線の如く3塁手のグラブに入った。現地で実況担当者が「レーザービームのような返球!」と驚きの実況をしたのがきっかけで、以後イチロー選手の捕殺は「レーザービーム」と言う代名詞が付いた。当時「エリア51」と評された彼の守備範囲は鉄壁であり、相手チームが犠牲フライを打ってもランナーが進塁を躊躇する場面を良く目にしたものだ。

打って、守って、走る「走・攻・守」3拍子がどれもトップレベルで出来た選手はMLBでもそう多くはいない。イチロー選手はMLBで10年連続で200本安打を記録、通算安打数もMLBだけで3000安打を達成している真に元祖マルチプレーヤーなのである。

イチロー選手が引退したと同時に大谷選手がMLBへ入団と言うのも何か縁を感じるが、私が思うに彼らの共通点は「マルチプレーヤー」である事である。ピッチャーと外野手という違いはあるものの打撃だけが優れている訳ではなく、それ以外の部分についてもトップレベルの選手である点では共通していると思う。大谷選手のMLBでの活躍はまだ始まったばかりなので、これから長く活躍して貰う為にもケガだけには気を付けて欲しいと願う。引退した松井選手もケガで選手生命を全う出来なかった。その点においてもイチロー選手は凄いと言わざるを得ない。ケガらしいケガは私が覚えている限り2002年に一度軽いケガで1試合休んだくらいで、引退するまで大きなケガは一度も無いと記憶している。イチロー選手の筋トレはムキムキマンのような筋肉を付ける為のモノではなく、ケガをしない為にしなやかな筋肉を付ける事が目的の筋トレを行っていたようで、事実このトレーニングのおかげで長い選手生活を送れた訳である。

さて、話を無理やり住宅へとこじつけます(苦笑)。「家づくり」を考えている方々に知って戴きたい点があります。それは何か一つ、例えば「デザインが良いから」などと言う理由だけで「家づくり」を考えないで貰いたいという事です。多くのお施主様は35年という長期の住宅ローンを組んで住宅を建てられます。35年の返済が終わった時のあなたの年齢は何歳ですか?今は若くて何をするにも不自由はしないでしょう。でも人の人生はどうなるのか分かりません。もしかしたら明日には交通事故に遭って下半身不随で車イス生活を余儀なくされるかもしれません。運良く健康で長生きしてもいずれは年老いて不自由な身体になるかもしれません。高齢化がどんどん進み、更に障害も伴った場合の自分の生活を想像してみてください。そうなった時に今あなたが建てようと考えている住宅は快適に住める住環境になっていますか?

住宅はデザインだけが良ければ「良い家」ではありません。総合的な見地から見て快適で暮らしやすく、メンテナンス費用が抑えられた耐久性の高い住宅こそが本当に「良い家」なのです。つまり「マルチな要素」がしっかり取られているかどうかが重要なのです。それともう1点。「シンプル is ベスト」と言う言葉があります。これは「良い家づくり」でも当てはまります。高額な住設機器を付けたがるお客様がたまにいらっしゃいますが、どんな機器類でも必ず耐用年数と言うものがあります。半永久的に使える住設機器など存在しません。高額な住設機器を交換する時は同じく高額な交換費用が掛かる事も承知しておくことが必要です。

震えた日②

【2021年2月2日の火災事故】で思った事
火災が遭った昨夜はなぜか眠れなかった。家族全員が同じ事を言っていた。気分もすぐれない。煙を吸ったせいか喉の調子も悪い。朝起きて朝刊に目を通す。昨日の火災事故の記事が載っていた。出火元の家は全焼で道路を挟んだ南隣の家が少し延焼の被害を受けたと書かれていた。事務所へ出勤すると記事に載っていた南隣の家のご主人が家の前の除雪をしていた。「昨日は災難でしたね。」と声を掛けた。「そうなんですよ。延焼は貰い損でしかなくて、これから大変なんです。」と言い、道路面の外壁を見ていた。道路に面した全ての樹脂サッシのフレームが焼けただれ、ペアガラスの外側の面が割れていた。2階部分の外壁が火災の熱で変色している。エコキュートの室外機から出ている配管カバーも熱で溶け、中の配線が見えていた。火災のせいで東北電力の電線が焼けて、その家は停電してしまい昨夜は親戚宅にお世話になったという。本当に気の毒な話である。その家は新築で建てて、まだ7、8年しか経っていないのだ。それがこのような事に遭ってしまったのだから、ご家族の心中いかばかりかとお見舞い申し上げる次第である。

延焼による被害.JPG

添付した写真は延焼に遭ったその家の樹脂サッシである。これは「樹脂サッシがどうのこうの」と言う為に載せた訳ではない。一部延焼の被害を受けたその家は6M道路を挟んだはす向かいに位置している。お互いの外壁の距離は7M以上は離れているのだ。それでもこれだけの被害を受けている。もしも出火元の隣地に家が有ったと仮定しよう。街中の住宅地ではお互いの家の外壁までの距離が3M以内という所がザラに存在する。そんな距離であのような火災が起きたら延焼は免れないと考えるのが普通だと思う。例え火災に強い外壁材を張っていたとしても無理である。なぜならば外壁面には必ず窓がある。あるいは下屋もあるかもしれない。そういう部分は外壁材と同等の耐火性能を持ち合わせていないのが一般的だからだ。

では何もしないで今のままで良いのか?それは「NO!」である。確かに延焼は免れないかもしれないが、耐火性の高い家であれば逃げる時間を稼ぐ事が出来る。人命よりも大切なものはないが、「これだけは焼失させたくない。」と思うモノを持ち出せる時間も稼げるかもしれない。そういう意味でこれから『家づくり』をご検討されている方々に申し上げたい。大地震が起これば地震に強い住宅が注目されるように、火災に備えた構造がある事を知って戴きたい。上を見るとキリがないが、最もコスパに優れた構造として【省令準耐火構造】というものがある。その代表格がツーバイフォー住宅であるが、今は在来工法でも対応が可能なのだ。この構造で作られた家は火災保険料も一般住宅の約半額で済むというメリットがある。弊社ではこの【省令準耐火構造】を標準仕様としているので、詳しい事をお知りになりたい方はお問い合わせを戴きたい。

最後にもう一言。火災保険はただ加入していれば良い訳ではない事を今回の火災で私は大いに思い知らされた。他人の家の火災で自分の家が焼けても、出火元の保険で直して貰う事は基本的に無い。本当に理不尽な話ではあるが、延焼を受けた家の人は自分が加入している火災保険で直すしかないのだ。冒頭に南隣の家のご主人が言っていた「貰い損」とは真にこの事を意味する。保険の種類によっては延焼に対応したものもあるらしいが、まず殆どの家は自宅のみの火災保険だと考え、自宅の火災保険がしっかりした内容であるかを確認して戴きたい。

昔の言葉に「地震・雷・火事・親父」と世の中で怖いモノの順番を表した格言がある。現代においては「地震・火事・水害・台風・モンスター●●」だろうか。●●はご想像にお任せする。いずれの災害においても「それは突然襲ってくる。」と言うのが共通している。どの災害が起きた時に自宅はどうなるのかを想像して、「不測の事態」に備えたいものである。

震えた日①

【2021年2月2日の火災事故】
今年の2月2日は124年ぶりの「節分の日」として記憶に残る日であったが、個人的には全く違う意味で記憶に残る日となった。ちょうどお昼の12時にそれは突然起きた。事務所に佐川急便さんが配達に来られた際に配達員の方が「隣の隣の家から凄い煙が出てますよ!」と言われた。「えっ!」と驚き、慌てて外へ出ると、その家の1階部分からおびただしい白煙と炎が見えた。「これはヤバい!」と思い、出火元の隣地(我が家の畑)に駐車してあった自家用車に向かって走った。車に行こうとする私に誰かの「危ないから行くな!」と制止する声があったが、それを振り切って車に乗り込みエンジンをかけた。間一髪セーフで運良く私と車に被害は無かった。

車を自宅の駐車場へ移動してから事務所前に戻ると、近隣住民と地元の消防団員ら大勢の人が集まっていた。バリケードが事務所前に張られ事務所に戻る事が許されず、皆と火事の様子をただ見ているしかなかった。強い北西の風に煽られ、ほんの数分で炎はまるで急成長するかのように勢いを増していった。時折小規模な爆発音と共に大きな火の粉や真黒く焼けた何かが空を飛んで行く。とにかく消防車の到着が遅く感じた。本当は迅速に動いてくれていたかも知れないが、その場に居た多くの人は「消防車はまだか。」と口々にしていた。それくらい火の回りの速さが早すぎて、消防車の到着を「まだか。まだか。」と遅く感じていた。

ようやく消防車が到着した時が火災のピークだったように思う。主屋2階の屋根を貫き、炎が天に届くが如く燃え盛る。同時に北西の風は一層強まり、傍観者の顔にも炎の熱が伝わった。事務所の隣家のお母さんが泣いている。「自分の家も燃えてしまう。」と言いながら泣いている。その場に居た者であれば、その気持ちは痛いほど理解できる。なぜならば本当にそうなるかもしれないと思えるほど強烈な火災だったからだ。かく言う私も事務所への延焼の可能性を感じた。それは今までに感じた事の無い全く違う恐怖感である。そう感じた時に心臓の鼓動が聞こえ、身体が小刻みに震えてくるのが分かった。

人生の中で火災現場は何度か見た事はある。しかし、それはいずれも自分とは無関係の災害であり、少しの恐怖は感じても身体が震えるまでに至った事はない。自分の身近で火災が起こったのは初めてであり、火災がこんなにも恐ろしいものである事を改めて知らされた。

消防車からの放水が開始され、しばらくすると徐々に炎が沈静化していく。頭の中では「もう大丈夫。」と思っても、気持ちや身体の反応が伴わない。やがて火は見えなくなり、火災現場は白い水蒸気で覆われて何も見えなくなった。時計の針は13時半を回っていた。自宅に戻り、しばらくの間家族全員がボーっとしていた。自分が起こした火災では無いのに動悸が止まらない。食べていない昼食を口にするまで更に1時間半掛かった。遅い昼食を取った後に事務所に戻ると家屋内に異臭が漂っている。木材を燻したような火事独特の臭いだ。延焼を免れただけ運が良かったと思えば、臭いくらい我慢出来るものだ。

「べっぴんさん」②

「こだわりのモノづくり精神」に学ぶ

こんにちは。今回のブログは前回の続きになります。

前回、私がこの物語で大いに共感させられたのは決して揺らがない「こだわりのモノづくり」を貫く精神を持ち続けること。

赤ちゃんの肌着に使う素材選びや、それを縫製する技術など、全ての赤ちゃんが快適に感じる事を一番に考え作られていること、つまり使う立場に立ったモノづくりをしていることをお伝えしました。

そして「べっぴんさん」の「べっぴん」とは漢字で書くと「別品」となり、それは普通の商品では無く、特別な一品という意味があることもお伝えしました。

彼女達はベビー服を、弊社は住宅を作っています。モノづくりという点においては共通する面が多々ありますが、価格の面においては大きな違いがあります。

でも弊社では「キアリス」と同様に、あくまでも使う立場で素材選びをし、使う立場でモノづくりを行っております。
分かりやすくする為、一つ例を挙げてお話をしてみましょう。


住宅には何百万個と数えきれないほどのパーツ(部品)が使われ、それらが組み合わされて一軒の家となります。数えきれない部品の中で、そこに住むお客様が毎日一番多く身体に触れるパーツは何だと思いますか?

答えはフローリングです。

手には触れなくても、人が家の中を移動する為には床の上を歩かなければなりませんよね。

例えば、「このフローリングは何で作られているのかな?」なんて考えた事がありますか?ほとんどのハウスメーカーや工務店が使っているのが、合板フローリングです。弊社でも使っています。でも合板フローリングと一口に言っても色々な種類のフローリングがある事を知っているお客様は少ないと思います。

色々な種類と先に言いましたが、ここでは大きく二つに絞ってお話をしたいと思います。一つは表面に木目模様が付いた特殊シートが張られたフローリングです。

もう一つは本物の木を2~3mm程度の厚さでスライスしたものを表面に張ったフローリングです。ちなみに表面だけを見て、触ってみてもほとんど違いが分かりません。さて、あなたがお客様だとしたら二つの内どちらを選びますか?この段階では「う~ん、どっちが良いのか分からないなぁ。」ですよね。

では、次に二つのフローリングの特長をお話します。最初のフローリングは表面がとても硬く、キズがほとんど付きません。
しかし、裸足で歩いていると足の裏が痛くなってきます。二つ目のフローリングは表面が柔らかく、ちょっとした衝撃でもキズが付いてしまいます。
しかし、裸足で歩くと適度な柔らかさのおかげで足が痛くなることはありません。

ここまでの話を聞いて、どちらを選択しますか?

どちらを選ばれても、それはお客様の自由です。


ちなみに弊社で標準採用されているのは二つ目のフローリングです。

このフローリングにはキズが付きやすいというデメリットがありますが、敢えてこのフローリングにしております。なぜならば、このフローリングの表面に使われている素材は本物の木だからです。本物の木は柔らかく、人を包み込んでくれます。幼い子供が転んでも、そんなに痛くはありません。そして本物の木はキズが付いても剥がれることは無く、永く使用する事が出来ます。

一方、一つ目のフローリングのメリットはキズが付きにくいという事だけです。表面の特殊シートも耐久性が何年あるのか分かりません。子供がいたずらをしてナイフでキズを付ければ、そこからシートがめくれてくる可能性もあります。表面が硬いという点も気になります。幼い子供が転んで、頭を打ったら大変です。

このように見た目には分からないけれど、全く中身が違うフローリングが存在しているのです。たぶん多くの人は、内容を知れば二つ目のフローリングを選ばれると思います。では、なぜ一つ目のフローリングは存在するのでしょうか?

実はこれって、本当のお客様の為に作られたモノではないのです。むしろ施工する業者の為に作られたモノなのです。昨今のお客様の目は厳しく、ちょっとしたキズ一つでも大きなクレームに発展しまう事も少なくありません。特にフローリングのキズは致命的です。張替えなんて簡単に出来ません。なので、そのようなクレームが出ないように開発されたのが、一つ目のフローリングなのです。どちらが正解でどちらが不正解という事ではありません。

ただ、題名にある「べっぴんさん」の精神から言えば、やはり私は二つ目のフローリングを選択します。例えリスクがあっても、こちらをお客様にお奨めします。我々が行う工事は数ヵ月で終わりますが、お客様は完成した家にこれから何十年も住み続けます。そう考えると、やはり「本物の木で作られたフローリングの部屋で過ごして貰いたいなぁ。」と思う訳です。

今回はフローリングに着目して弊社の「こだわりのモノづくり」を紹介させて戴きました。

「べっぴんさん」①

「こだわりのモノづくり精神」に学ぶ

「べっぴんさん」、綺麗な女性の話ではありません(笑)。

今回はNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(2016年10月~2017年3月放送)について触れてみたいと思います。(現在、BSにて再放送中)
この物語の舞台は終戦後、焼け野原になった神戸。女学校時代の仲良し3人娘達が子供を抱えながらベビー服づくりを始め、「キアリス」というお店を作り、やがて日本でも有名なベビー用品店に成長していくというストーリーです。

私がこの物語で大いに共感させられたのは「こだわりのモノづくり」を貫く精神です。

赤ちゃんの肌着に使う素材選びや、それを縫製する技術など、全ての赤ちゃんが快適に感じる事を一番に考え作られているのです。そんな彼女達が作った製品を見た大手百貨店の社長夫人が旦那を通して、「キアリス」の百貨店出店を打診してきます。

ところが、出店の条件として縫製方法の簡略化を行い、価格の値下げを百貨店側が要求してきたのです。すると彼女達は悩みますが最終的に「そんな商品を作って売るなんて出来ない。」とあっさり出店を断ったのです。現在に例えるなら銀座の三越から出店を依頼されたのに断ったようなものです。彼女達の旦那さん達は皆呆れてしまいます。「こんな良い話をあーもあっさりと断るなんて。女性の考えている事は分からん。」と。

でも私は彼女達の決断は素晴らしい事だと思うんですね。

なかなか出来ないですよ。普通なら儲かるチャンスだと受け入れてしまいますよね。本来の「モノづくりの精神」を忘れてしまって。
私が素晴らしいと言ったのは一貫して「モノづくりの精神」を曲げない彼女達の心の強さです。人は儲かり始めると「創業の精神」を忘れてしまい、ついつい金儲けに走りがちになってしまいます。彼女達は金儲けよりも「お客からに本当に喜んで貰える商品を作りたい。」という気持ちの方が圧倒的に強いんですね。やがて彼女達の「こだわり」に負けて大手百貨店の方が条件を取り下げ出店することになり、少しずつ「キアリス」は売り上げを伸ばし、百貨店の顔となるまで成長します。

今回の題名である「べっぴんさん」の「べっぴん」とは漢字で書くと「別品」になります。普通の商品では無く、特別な一品という意味です。

彼女達はベビー服を、弊社は住宅を作っています。作るモノは違えども、弊社の「モノづくりの精神」もこのように有りたいと思います。

雪国横手に適した住宅とは

実はあまり将来の事や雪対策を考えていない住宅メーカーが多いんです

こんにちは。誠心住工房フォレストの佐々木です。

今日は雪国横手で失敗しない家づくりのポイントについて、お話をしたいと思います。

家を建てようとするお客様のほとんどは、まず初めに住宅雑誌を読んだり、モデルハウスを見て回ったりして自分の好みに合った家を探します。まだ夢の段階なので見ているだけで楽しい時だと思います。ただ、ここで注意しなくてはならないことが一つあります。それは雪が積もった時にどうなるのかを想像する事です。雑誌に出てくる住宅やモデルハウスは積雪のことなど考えないで作られたものがほとんどです。雪がほとんど積もることのない地域であれば、どんなデザインでも素材でも自由に選ぶ事が可能です。が、雪国の場合は積雪の事を考えた構造とデザインそして素材選びをしなければなりません。

昨今、若い世代の方に人気の箱型デザインの家。確かにカッコイイですよね。あるいは自然素材をふんだんに取り入れた健康志向の家。これも素敵ですよね。住宅会社さんはそれぞれ自社のセールスポイントを強調して商品をPRする訳ですが、それとお客様の考えが同じで価格も予算が合えば万々歳で契約となります。

しかし完成した後にクレームに見舞われる事態に陥るケースが後を絶たないという事実も多く存在します。それはなぜでしょう?
理由は複数あると思いますが、私が重要視しているのは次の3点です。

• 住宅会社が事前に使用されている素材のデメリットについて説明をしていない。
• お客様に対して完成後のメンテナンスの重要性をしっかりと説明していない。
• 立地条件に合った積雪対策がなされていない。


住宅を建てるという事はとてもお金の掛かる一大事業です。

多くのお客様は完成すれば終わりと考えられるようですが、実際は違います。年数が経てば必ず劣化症状が出てきます。当たり前の事ですが、家を建てたら半永久的にメンテナンスなしで暮らせるなどという事はあり得ないのです。話を元に戻しますが、いい事だけしか言わない住宅会社は要注意です。相手がデメリットやメンテナンスについて話をしないのであれば、こちらからドンドン質問しましょう。明確かつ納得のいく答えが聞けなければ、そこはやめた方がいいと思います。そして、雪対策についてどのような考えをもって対応してくれるのかも確認しておきましょう。ここをしっかりと押さえておかないと毎年冬になる度、泣くことになります。


最後にちょっと専門的な話をさせて戴きます。

住宅の価値をどこに見い出すかは人それぞれです。先に述べたデザインや使われる素材など人によって価値観は違います。従ってどれが正解かという事はありません。お客様が満足されれば、それはそれで正解なのです。では書く言う私はどこに価値を求めているのかと言いますと、目に見えなくなる部分の施工方法です。

これからの住宅は省エネが当たり前になっております。これを確実に行うには「住宅の高性能化」が必須になってまいります。この高性能化というのは住宅の躯体部分がどのように作られているのかという事に繋がるのですが、仕上がってしまうと確認することが難しいのです。

つまり、外目は同じように見える住宅でも、中身の造りが違うと全く住み心地の違う住宅になってしまうということです。


家一軒建てるのに例えローコスト住宅でも結構な金額は掛かります。

でも、そこで目先の金額だけで業者を決めてはいけません。家は建てた後にもお金が掛かるからです。工事金額を安く抑えても、性能の低い住宅を作ってしまえば、ランニングコストが毎月大きくのしかかってきます。さらにローコストメーカーは雪国に適した素材など使っておりません。従ってメンテナンス費用も予想以上に掛かってきます。毎月の住宅ローンに光熱費、これに固定資産税。さらにメンテナンス費用。高額な住宅を推奨する訳ではありませんが、その時に安く建てたとしても、その後に掛かる費用を計算してみると、実は高額で建てた家の方が一生に支払う金額が安かったという例も少なくありません。

(結論)家づくりは総合的な見地に立って考えなければならないというのが私の考えです。

• 高額・高級な家ではなく高性能な住宅を適正な価格で建てましょう。
• 高性能住宅で快適に且つランニングコストを抑えた生活をしましょう。
• 雪国に適した素材を選んで、メンテナンス費用があまり掛からない家づくりをしましょう。
• 内部には化学物質でできた建材を極力使用せず、自然素材で囲まれた空間にして健康的な暮らしができるようにしましょう。
• 将来のライフスタイルも視野に入れた間取りやデザインを考えましょう。
• 今は若くても人間皆いずれは年を取るという事を考えた家づくりをしましょう。
• 屋根に積もった雪の処理をどうするのか、しっかり考えましょう。また隣家とのトラブルが起きない対策も講じておきましょう。


人によっては、もっと考えるべき点があるかもしれませんが、弊社ではこのような事をお客様と真剣に話し合って家づくりをしていきたいと考えております。

長文になってしまい、申し訳ありません。最後までお読み戴けましたら幸いです。

どうか、これからもよろしくお願い致します。