大谷翔平選手とイチロー氏の共通点は「マルチ」

2021年のMLBは春から大谷選手の活躍で話題に事欠かない。「リアル二刀流」。これは言葉で言うほど簡単に出来る事ではない。現に多くのメジャーリーガーが大谷選手の活躍ぶりに驚愕しており、現地の記者らにも「信じられない。」と言わせる程の結果を残している。この活躍ぶりは2001年にイチロー選手がMLB1年目の時と実によく似ている。イチロー選手はピッチャーではなく外野手なので今で言う「二刀流」ではないが、パワー全盛期のMLBの中では大谷選手同様に異彩を放った存在であった。卓越したバットコントロールでヒットを量産。特に普通の選手ならOUTになる内野ゴロでも俊足を活かしてセーフとし、内野安打を量産。出塁をすれば2塁への盗塁、さらに3塁への盗塁で単打を長打並みの成果へと変えていった。そして最も特筆すべき点は彼の守備能力の高さである。中でも敵地アスレチックス戦でライトへ来た打球をキャッチし、3塁へ投じた球は3塁ベースに向かって地を這う光線の如く3塁手のグラブに入った。現地で実況担当者が「レーザービームのような返球!」と驚きの実況をしたのがきっかけで、以後イチロー選手の捕殺は「レーザービーム」と言う代名詞が付いた。当時「エリア51」と評された彼の守備範囲は鉄壁であり、相手チームが犠牲フライを打ってもランナーが進塁を躊躇する場面を良く目にしたものだ。

打って、守って、走る「走・攻・守」3拍子がどれもトップレベルで出来た選手はMLBでもそう多くはいない。イチロー選手はMLBで10年連続で200本安打を記録、通算安打数もMLBだけで3000安打を達成している真に元祖マルチプレーヤーなのである。

イチロー選手が引退したと同時に大谷選手がMLBへ入団と言うのも何か縁を感じるが、私が思うに彼らの共通点は「マルチプレーヤー」である事である。ピッチャーと外野手という違いはあるものの打撃だけが優れている訳ではなく、それ以外の部分についてもトップレベルの選手である点では共通していると思う。大谷選手のMLBでの活躍はまだ始まったばかりなので、これから長く活躍して貰う為にもケガだけには気を付けて欲しいと願う。引退した松井選手もケガで選手生命を全う出来なかった。その点においてもイチロー選手は凄いと言わざるを得ない。ケガらしいケガは私が覚えている限り2002年に一度軽いケガで1試合休んだくらいで、引退するまで大きなケガは一度も無いと記憶している。イチロー選手の筋トレはムキムキマンのような筋肉を付ける為のモノではなく、ケガをしない為にしなやかな筋肉を付ける事が目的の筋トレを行っていたようで、事実このトレーニングのおかげで長い選手生活を送れた訳である。

さて、話を無理やり住宅へとこじつけます(苦笑)。「家づくり」を考えている方々に知って戴きたい点があります。それは何か一つ、例えば「デザインが良いから」などと言う理由だけで「家づくり」を考えないで貰いたいという事です。多くのお施主様は35年という長期の住宅ローンを組んで住宅を建てられます。35年の返済が終わった時のあなたの年齢は何歳ですか?今は若くて何をするにも不自由はしないでしょう。でも人の人生はどうなるのか分かりません。もしかしたら明日には交通事故に遭って下半身不随で車イス生活を余儀なくされるかもしれません。運良く健康で長生きしてもいずれは年老いて不自由な身体になるかもしれません。高齢化がどんどん進み、更に障害も伴った場合の自分の生活を想像してみてください。そうなった時に今あなたが建てようと考えている住宅は快適に住める住環境になっていますか?

住宅はデザインだけが良ければ「良い家」ではありません。総合的な見地から見て快適で暮らしやすく、メンテナンス費用が抑えられた耐久性の高い住宅こそが本当に「良い家」なのです。つまり「マルチな要素」がしっかり取られているかどうかが重要なのです。それともう1点。「シンプル is ベスト」と言う言葉があります。これは「良い家づくり」でも当てはまります。高額な住設機器を付けたがるお客様がたまにいらっしゃいますが、どんな機器類でも必ず耐用年数と言うものがあります。半永久的に使える住設機器など存在しません。高額な住設機器を交換する時は同じく高額な交換費用が掛かる事も承知しておくことが必要です。