秋田県民はなぜ秋田杉を使わないの
日本にはたくさんの種類の木がありますが、中でも『日本三大美林』と呼ばれる木が有るこ
とをご存知でしょうか?
①青森ヒバ
②秋田スギ
③木曽ヒノキ
これが『日本三大美林』と呼ばれる木の名前です。お気づきですか?三大美林の内二つも北
東北にある木が選ばれているのです。秋田スギは学名で「日本の隠れた財産」とも呼ばれて
いるのですが、秋田県民でもこの事を知っている人は殆どいないと思います。正確に言うと
これは「天然秋田杉」を指しているのですが、現在は天然秋田杉の伐採は制限されていて住
宅の構造材に使う事は難しい状況にあります。しかし、植樹された秋田杉にもそのDNAは
引き継がれている訳で、そういう木が身近に有りながら外国産の木を使って家を建てると
いうのは凄くもったいないと思うのは私だけでしょうか?
集成材全盛の昨今ですが、FORESTでは無垢の乾燥材に拘った家づくりをしております。
土台には『青森ヒバ』を、柱には『秋田スギ』を使い、地産地消にも貢献しております。が、
もっとお客様に知って戴きたい事があります。それは大手ハウスメーカーや有名工務店が構
造材として使っている集成材の多くは日本の気候に適さない木であることです。
代表的な木はホワイトウッドやスプルス、オウシュウアカマツなどですが、これらの木は北
海道よりも緯度が高く、寒い北欧や北米で育った木です。問題はこれらの木の強度と耐蟻性
です。
JAS規格で日本のヒバやスギ、ヒノキは「D1」という強度の高い木に分類されていますが、ホワイトウッドやスプルス、オウシュウアカマツは「D2」という強度の低い木に分類されています。この強度の低い木を接着剤で塗り固め、集成材として強度を高めているのでしょうが、接着剤の強度は年を追う毎に低下の一途を辿ります。
そして極めつけは「耐蟻性ゼロ」という点です。つまりシロアリに対して全く抵抗する成分を持っていない木ばかりなのです。なぜならば、これらの木が育った地域にはシロアリは生息していないからです。一方、北海道を除く日本の木はシロアリが生息する地で育ちます。ヒバやスギ、ヒノキにはシロアリが嫌う「ヒノキチオール」と言う成分が含まれているので、土台や柱など地面から近い部分に使用する構造材には打って付けの樹種なのです。
いかがでしょう。日本で木造住宅を建てるのであれば、日本で育った木を使うが一番なので
す。そして秋田で家を建てる人はぜひ地元産の『秋田スギ』に着目して戴きたいと思います。
弊社では本気で「100年以上住み続けられる家づくり」を目指しています。それを実現す
るには構造材以外の点も考えなくてはなりませんが、今回は構造材に特化してお話をさせて
戴きます。
ぜひ、ハウスメーカーのホームページをよく見てください。そして構造材に何の樹種を使っ
ているかを確認してください。先程挙げた樹種の集成材を構造材に使用している住宅会社は
ホームページにそれを載せていないのがほとんどです。『強度が低い「D2」で、耐蟻性の
無い木を使っています!』なんて、お客様が知ったらドン引きですよね。だから敢えて触れ
ていません。触れて欲しくないからお客様の目線を他の部分に向けたいのです。
そして最後にお客様!
構造躯体とは住宅の骨格です。その部分に集成材を使って本当に良いかを真剣に考えてみて
ください。くどいようですが、接着剤の耐久年数が100年も持つと本当に思いますか?
奈良の法隆寺や薬師寺など1300年以上も前に建てられた社寺仏閣がいまだに現存する
のは良質な無垢の木を使っているからです。住宅に限らず「本物に勝る人工物など無い」と
私は考えます。