「べっぴんさん」①

「こだわりのモノづくり精神」に学ぶ

「べっぴんさん」、綺麗な女性の話ではありません(笑)。

今回はNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(2016年10月~2017年3月放送)について触れてみたいと思います。(現在、BSにて再放送中)
この物語の舞台は終戦後、焼け野原になった神戸。女学校時代の仲良し3人娘達が子供を抱えながらベビー服づくりを始め、「キアリス」というお店を作り、やがて日本でも有名なベビー用品店に成長していくというストーリーです。

私がこの物語で大いに共感させられたのは「こだわりのモノづくり」を貫く精神です。

赤ちゃんの肌着に使う素材選びや、それを縫製する技術など、全ての赤ちゃんが快適に感じる事を一番に考え作られているのです。そんな彼女達が作った製品を見た大手百貨店の社長夫人が旦那を通して、「キアリス」の百貨店出店を打診してきます。

ところが、出店の条件として縫製方法の簡略化を行い、価格の値下げを百貨店側が要求してきたのです。すると彼女達は悩みますが最終的に「そんな商品を作って売るなんて出来ない。」とあっさり出店を断ったのです。現在に例えるなら銀座の三越から出店を依頼されたのに断ったようなものです。彼女達の旦那さん達は皆呆れてしまいます。「こんな良い話をあーもあっさりと断るなんて。女性の考えている事は分からん。」と。

でも私は彼女達の決断は素晴らしい事だと思うんですね。

なかなか出来ないですよ。普通なら儲かるチャンスだと受け入れてしまいますよね。本来の「モノづくりの精神」を忘れてしまって。
私が素晴らしいと言ったのは一貫して「モノづくりの精神」を曲げない彼女達の心の強さです。人は儲かり始めると「創業の精神」を忘れてしまい、ついつい金儲けに走りがちになってしまいます。彼女達は金儲けよりも「お客からに本当に喜んで貰える商品を作りたい。」という気持ちの方が圧倒的に強いんですね。やがて彼女達の「こだわり」に負けて大手百貨店の方が条件を取り下げ出店することになり、少しずつ「キアリス」は売り上げを伸ばし、百貨店の顔となるまで成長します。

今回の題名である「べっぴんさん」の「べっぴん」とは漢字で書くと「別品」になります。普通の商品では無く、特別な一品という意味です。

彼女達はベビー服を、弊社は住宅を作っています。作るモノは違えども、弊社の「モノづくりの精神」もこのように有りたいと思います。