新築・建替えをお考えの方へ②

あなたは住宅完成後の事をどれだけ考えていますか?

前項で「今この日本で建てられている新築住宅工事のシェアは大手ハウスメーカーや中堅の地元ハウスメーカーあるいはローコストメーカーが大半を占めていると言っても過言ではないでしょう。」と申し上げました。秋田市のみならず、県南内陸部でも、その傾向は伺えます。地元の工務店さんも頑張っていらっしゃいますが、やはり有名ハウスメーカーには及びません。

さて、今回お話するのは「家づくりに対する価値観」です。あなたが家を建てるとするならば、何に一番のこだわりを持って計画を立てられますか?
昨今の住宅は価格重視、デザイン重視といった感が強く感じられます。お客様も事前に住宅雑誌を見て何社かに声を掛け、相見積もりをさせて自分たちの希望する家を安く作ってくれる会社に頼むという風潮が見受けられます。

お客様心理として、いくらでも安く作りたいという気持ちは充分理解出来ます。中身はどうでも価格さえ安ければそれで良いとお考えならばそれでも良いでしょう。

しかし、住宅というものは自動車と同じで購入してからもお金が掛かるものなのです。光熱費はもちろんですが、メンテナンス費用の事まで考えて計画される方は本当に稀です。

例えば、あなたがローコストメーカーに依頼して住宅を建てたとしましょう。工事費はどこよりも安く出来ました。完成直後はピカピカの新築です。でも数年経過した後にどのような事が起こるかご存知ですか?

数年前までよくあった話が外壁の早期劣化です。多雪地域に不向きな材料が使われていたのです。このように住宅というのは安く作ろうと思えば作れるものなのです。中身がどうでも良ければ手抜き工事だって可能です。お客様が素人ならばいくらでも安く作る手段はあるのです。

でも、そういう住宅を作る業者にはモノ造りの造り手としてのポリシーが無いのです。取りあえず儲かればいいやという頭しかないのです。実際、そのような業者に住宅工事を依頼して後々泣いている人は数えきれない位います。家を新築して僅か5年で外壁の張替えをしなければならない状況に陥ったら、あなたはどうしますか?

住宅というものは何万個のパーツを組み立てて造られるモノですが、住んでいる地域によって使用するパーツの素材を変えなくてはなりません。外壁のみならず、あらゆる角度から検証し、適材を選ぶのです。しっかりとした仕様で施工もきっちりとしていて価格が安いのであれば、それにこした事はありません。しかし、この地域に合わない素材のパーツで作られたとすれば、後に高額なメンテナンス費用が掛かってくるのです。いま安ければ良いのではなく、その後の費用のこともしっかりと考えなければ、最終的には高くつく場合も有り得るのです。


次に「デザイン」について触れてみたいと思います。まず外観デザインですが、最近よく見かける形状が軒先の無い箱型の住宅です。特に若い世代の方に人気があるようです。

昔の住宅は大概大きく軒先を出した造りになっていますが、近年ではあまり大きく軒先を出す家は少なくなり、今に至っては軒の出無しという状態にまで変貌しました。そもそも軒の出って必要なものなのでしょうか?これについては色々な意見があると思いますが、誠心住工房フォレストでは必要という見解を持っています。

一番の理由は外壁の劣化の進行を抑えてくれるからです。あと雪が降った時に建物の廻りを歩く事も出来ます。たまに同じ箱型でも無落雪の屋根で家を建てているハウスメーカーさんがいますが、弊社では恐くてとても真似は出来ません。

そもそも無落雪住宅の発祥地は北海道です。その中でも雪質の軽い地方で生まれた工法であり、北東北ならば青森県の八戸市や岩手県側でしか通用しない工法だと弊社では考えております。雪質が重く、しかも豪雪地帯である県南地域では絶対にやってはならない工法だと弊社では考えております。
内部デザインではどうでしょうか。最近は箱型住宅でよく見かけるスキップフロアの間取りが、これも若い世代の方から支持されているようです。半地下・1階・中2階・2階・ロフトでなんと5層構造。すごいですね~。使える空間は全て利用するという、この発想はとても素晴らしいと思います。

でもこれは土地の狭い大都市圏では喜ばれるかもしれませんが、県南地域ではいかがなものでしょうか?半地下やロフトは天井高さが法的に1.4Mしか取れません。いくらその部分が床面積に算入されないメリットがあったとしても、大人がまともに立って歩けない空間に他の部屋と変わらぬ坪単価で造る価値があるのでしょうか?


誠心住工房フォレストの基本的な間取りの考え方はバリアフリーですので、段差のある部分は極力少なくしていく方向です。なぜならば、人間は皆等しく歳を取るからです。つまり、今は若くてどこへでも動けるでしょうが、やがて老人になれば動けなくなるかもしれないということです。

極端な話をすれば昨日まではピンピンしていたのに、今日突然交通事故に合い、下半身不随で車イス生活になることだってあり得るのです。そうなった時にスキップフロアの家なんて身障者の方から見れば、家中が障害物だらけでまともな生活など出来ません。これは身体の弱い高齢者にも同様なのです。

自分がそのような状態になった時にリフォームでバリアフリー対応が出来ると思ったら大間違いです。今時の住宅はとても頑丈に出来ていて簡単に間取り変更なんて出来ません。昭和の時代に作られた住宅とは全く別物なのです。もし住宅ローンの返済中だとしたら、経済的にも大打撃となる事は必至です。デザインというのは弊社でも重要視はしていますが、今だけを考えて家を考えるのではなく、将来の事も想定しながら計画を立てなければならない事も是非知って戴きたいと思いますし、そうされる事を期待しております。


最後に価格について再度触れたいと思います。日本の住宅は世界的にも高いと言われます。私も同感です。

例えばアメリカの住宅と比較するとその差は歴然です。しかしアメリカと日本では立地条件や法的条件が全く違います。生活スタイルも違います。多分アメリカと同じ条件で許可が下りるなら、日本の住宅の価格もかなり下がると思います。でも現実は無理なのです。ローコストメーカーなどがよく「坪29万円で家が建つ」などと宣伝しておりますが、これはお客様を釣る為のエサに過ぎません。少し例えが汚く聞こえたかも知れませんが、ご勘弁下さい。しかしこんな価格で高性能かつ快適な住宅など絶対に出来ません。

今時このような安かろう悪かろう的なモノづくりをしている業者なんて信じるに値しません。良いように言いくるめられて契約をさせられ、完成すれば「はい、サヨナラ」です。当然、メンテナンスの対応も期待しない方が良いでしょう。最後に泣く羽目をみるのはお客様だけです。


どこに工事を依頼するかはお客様の今後に大きく影響を与える重大な決断要素です。まずは色々な所から話を聞く事から始まると思いますが、良い事だけしか話さない業者は要注意です。

住宅に使用される部品に完璧なものなどありません。必ず一長一短があるのです。特に重要と思われる部分において、その説明が無いのは「怪しい」と疑って、お客様側からもドンドン質問した方が良いと思います。それで納得出来る回答が得られれば不安なく任せられると思います。


誠心住工房フォレストでは使用する素材のメリット・デメリットをしっかりとご説明させて戴き、お客様に納得して貰えるよう努めております。最終的にはこうすることで、完成後のメンテナンス費用の抑制に繋がると思っております。正しい知識を持ち、実行することでメンテナンス費用は大きく変わります。家を長持ちさせるのは住宅会社だけの責任ではありません。

そこに住むお客様の責任もあることを是非ご認識おき下さい。

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