もう一つのお薦め暖房方法「薪ストーブ」

誠心住工房フォレストでは主に「蓄熱式全館床暖房」をお客様にご提案をしておりますが、暖房はこれだけしか出来ない訳ではありません。寒冷地仕様のエアコンやFFストーブなどの設置もご要望があれば行えますが、基本的に風が吹く対流熱式の暖房機器を主暖房にする事は正直言ってお薦めはしません。では「他に薦められる暖房機器は?」と聞かれたなら万人受けではありませんが「薪ストーブ」をお薦めします。

薪ストーブの良さはいろいろ有ります。個人的に一番の魅力は窓から覗ける雪景色とストーブの炎を見ながらくつろぐ光景が雪国ならではの冬の醍醐味だと思います。寒さが厳しい土地だからこそ味わえる暖房方法であり、雪の降らない地域には合わない暖房機器とも言えるでしょう。また直に炎を燃やす事で質の違う暖かさを感じる事が出来ます。自宅に居ながら山のロッジに居る気分に浸れます。そしてインテリアと言う側面から見ても、とてもお洒落な空間にしてくれる重要なパーツにもなります。

但し、薪ストーブを設置するには短所も知っておかなければ後で後悔する事もあります。例えば薪の確保です。雪が降ってから薪を準備では遅すぎます。遅くても初秋までには一冬分の薪を確保し、乾燥させておかなければなりません。薪を置くスペースもちゃんと考えておく必要があります。薪が安価に手に入る人であれば良いのですが、全て購入するとなるとガスや灯油よりも燃料代が高く付くので、薪の入手方法も事前に考えなくてはなりません。また、家の中で直に炎を燃やす訳ですから危険も伴います。小さなお子さんがいれば安全対策も講じないとなりません。さらに薪を燃やせば灰が出るので、定期的に火を落としてストーブ内の灰の除去掃除も行わなければなりません。この作業を行うと着衣に黒い煤が付く事もありますが、潔癖症の方はそれだけで怒る場合もあります。他にも薪を入れずにいたら、気付かない内に火が落ちる事もあります。そうすると種火から火を起こさなければなりません。普段、誰かが家に居てくれれば良いのですが、日中誰も居ないとこの作業をしょっちゅう行わなければならない羽目になる事もあるでしょう。これ以外にもまだ有りますが、このように書くと薪ストーブを薦めていないかのように聞こえるかも知れません。が、そうではありません。薪ストーブにはこれら多くの短所を上回る魅力があります。但し、それは本当に薪ストーブが好きでたまらない人にしか理解出来ない魅力なのです

つまり、このような面倒な事が多々起こり得ることを理解した上で、それでも薪ストーブを付けたいという強い信念を持った人でなければ薪ストーブを薦めることは出来ないのです。ただ「お洒落だから」「カッコイイから」というだけの理由で付けると必ず後悔します。短所も全てひっくるめて「これが薪ストーブの魅力」と思える家族であれば楽しいウインターライフを過ごせると思います

最後に薪ストーブを設置するには何かと制限があります。部屋のどこにでも設置出来る訳ではありません。正しい設置を行うにはプランニングの段階から考えなければならず、設置場所だけでなく外観デザインまで考えなくてはなりません。ましてや雪の多い地域においては雪と煙突の位置関係は重要ですので、薪ストーブの設置方法をしっかり理解している住宅会社に依頼する事が大切になってきます。

震度6強の衝撃

3月16日23時36分頃に福島県沖を震源とする大きな地震がありました。震源地に近い福島県や宮城県で最大震度6強の揺れが襲い、東北新幹線が脱線する事態も起きました。時間帯が深夜だったので、被災された方は恐くて眠れない夜を過ごされたのではないでしょうか。翌朝になって次々に分かってくる被災情報で、今回の地震がいかに大きな災害だったのかを私たちは知りました。つい先日3.11から11年を迎えたその月に起きた大地震は、やはり東日本大震災を嫌でも思い出させてくれました。幸いにも津波や原発の被害には至りませんでしたが、本当に恐い地震であったと思います。実際に私自身もこの地震の揺れを体験しましたが、秋田県横手市でも震度5弱を記録しました。その時間、私はベッドで眠っておりました。すると突然ケータイの地震警報が鳴り、間もなく揺れ始めました。かなり大きな揺れで、揺れが収まってないのに2回目の地震警報が鳴って長い時間揺れが続きました。ある意味初めて経験する揺れ方だったと思います。事実、福島県で被災された方の中には3.11より揺れたと証言する人が何人もいらっしゃいました。

今回の地震で火力発電所が2基止まり、関東と東北で電力供給不足が一時的に発生しました。3月も下旬に入り、たまたま寒波と重なったせいもありますが、これが真冬に起きていたらと想像するとゾっとします。しかしTVを見て思うのですが、地震の揺れで屋根の瓦が落ちてしまってブルーシートで養生をしている家が数多く有りました。3.11から11年の間に同じクラスの地震は何度か起きています。剥がれたら都度瓦を補修しているのでしょうが、こんな短い期間で何度も同じ被害を受けているのであれば、思い切って屋根をガルバリウム鋼板葺きに変えた方が良いのではと個人的には思います。新築住宅や耐震リフォームした建物の耐震強度は上がっているのは確かですが、免震構造でない限り、建物は必ず揺れます。地震が頻繫に起きる地域にお住いの方はぜひ建物の軽量化を考えて行かれる事をお薦めします。瓦葺きの屋根というのは重厚感があり、それが高級感を醸し出しているのでしょうが、大きな地震が来る度に補修工事をやるくらいなら、いっそ変えてしまった方が良いと私は考えます。瓦葺きに比べてガルバリウム鋼板葺きは高級感こそ有りませんが、少なくとも地震で剥がれてブルーシートで養生をする事態までには至りません。災害は大きいほど被災する家屋の件数も多くなります。従って補修する時期も職人さん不足と重なり早い家と遅い家が出てきます。

ウクライナでの戦争報道であまり注目度が大きくありませんが、今回の地震は軽く見ない方がよいと思います。なぜ昔に比べて東北地方で地震が頻繁に起こるようになったのかは分かりませんが、今の日本ではいつどこでいかなる災害が起こっても不思議ではないのが現状です。私が住む秋田でも日本海中部地震のような大地震が再び起きるかも知れませんし、100年に1度と言われる水害が起きるかも知れません。そんな災害が起きた時に家族を守ってくれるモノと言えば、やはり「住宅」しかないのです。そこで考えなくてはならないのが家の構造と不測の事態に備えた設備の設置です。構造はなるべく耐震等級の高い家で、制震装置なども付いていると建物の被害は軽減されます。そして不測の事態に備えた設備ですが、例えば一番被害が大きな災害と言えば、やはり地震です。今回も停電が起きましたが、そんな時でもちゃんと家で暮らせる仕掛けを考えておく事が必要です。例えば非常用コンセント。それを結ぶ発電機を置く場所なども考えておけば短期間の停電時に備える事も出来ます。これに掛かる費用はオプションですが数万円で済みますので、ぜひ導入を検討して貰いたいと思います。まぁ、これをしたから万全という訳ではありませんが、何もしてない家に比べたら「備えあれば患いなし」の気持ちで入られると思います。